1712年からモルゴンに拠を構えるデヴィーニュ家。1960年代から当時まだボージョレでは珍しかったドメーヌ元詰めを開始し、2005年からは有機栽培を実践。

現在はクロード・エマニュエルとルイ・ブノワの姉弟がドメーヌを営み、15haの畑を管理している。

ワインはどれも口にした瞬間に明るいベリーとうま味がパーっと広がる、堪らない美味しさを持つもの。

そしてかなり塩っぽい。21年的酸の美しさとミネラルによる洗練性が相まったスタイルの良さには惚れ惚れで、おそらくSO2も必要最低限しか使っていないように感じるが不安定さはゼロ。

まだ妥当価格なのも嬉しい、エレガントボージョレ。

赤・黒果実にに花、スパイスなど香りに複雑さがあります。果実味は上品で、酸には厚みがありうま味を伴っています。全体に上質感を感じる赤ワインです。

ガメイやボージョレを苦手に感じている人に飲んでもらいたいです。酒質には丸みがある割に、果実感は閉まっていて、タンニンもしっかり感じ、香りも味わいも閉じ気味でした。それだけ長熟タイプなのでしょう。歴史的に評価の高い畑ですから。

〈2023年5月試飲〉

◆今飲んで：89点
◆ポテンシャル：90点
◆飲み頃予想：今〜2040年

モルゴン村にもし格付けがあったらコート・デュ・ピィは一級、ジャヴェルニエールは特級といわれる程、古から評価高い畑でデヴィーニュでも先々代の時代にこの畑産の最良のワインのみを自ら瓶詰めを行っていた。ピィの丘の東向き斜面の麓に位置し、コート・デュ・ピィ上部よりも鉄分を多く含む粘土質土壌が深みとエレガントさをもたらす。平均樹齢40年。2021年はジャヴェルニエールの高樹齢ぶどうより造られるトップキュヴェ、レザンペニタンは造らずにこちらにブレンドされている。「ワイン・アドヴォケイト」94点。

There's no Impenitents bottling this year, so everything went into the 2021 Morgon Cote du Py Javernieres, a brilliant effort in this challenging vintage. Unfurling in the glass with aromas of cherries, ripe plums, wild berries, vine smoke and petals, it's medium to full-bodied, ample and fleshy, with terrific mid-palate volume, ripe tannins, tangy acids and a long, penetrating finish.

◆パーカーポイント：９４点
◆飲み頃：２０２１〜２０３５年