リッジが初めてリットン・スプリングスを造ったのは1972年。19世紀から20世紀への変わり目に、畑の東半分に植えられた古木のブドウを使った。1990年代前半には、畑の東半分、西半分の両方を購入している（1870年代にウィリアム・リットン大佐の所有下にあった頃、二つの畑はひとつの大きな地所の一部であった。当時はLittonの綴りだったが、1903年までにLyttonと綴られるようになっている）。畑にはジンファンデル以外にも、補助的なブレンド用品種が植えられている。
リットン・スプリングスの初ヴィンテージ:1972
降雨量:635m
開花時期:5月
天候:4月、5月に降ってくれた雨のおかげで、ブドウ樹は夏を乗り切ることができた。労働者の日（9月第1月曜日の祝日）に酷暑となったときには、すでにジンファンデルの収穫のただ中であった。以降、摘み取りのペースを早め、10月18日までにはリットン・スプリングスでの収穫を終えている。 収穫日:9月4日〜10月18日
ブドウ糖度: 平均24.1度
発酵:すべての品種を破砕。天然酵母でのアルコール発酵を経て、天然乳酸菌でのマロラクティック発酵。マセレーション開始後9日目に圧搾。
樽の構成:天日乾燥させたアメリカンオーク樽100%
熟成: 樽内で14ヶ月。

リットン・スプリングスの畑:ソノマ郡ヒールスバーグの町の北に位置。ドライ・クリーク・ヴァレーとアレキサンダー・ヴァレーを分かつ、テラス状台地と丘陵に畑は広がる。 土壌: 多様だが、主に砂利混じりの粘土質土壌。丘陵地では砂利混じりのクレイ・ローム（埴壌土）。

持続可能な方法で栽培した自社畑産ブドウを使用。手収穫。破砕、除梗ののち、天然酵母で発酵。マロラクティック発酵も、天然乳酸菌で100％。リットルあたり0.25グラムの酒石酸で補酸。樽熟成によってオーク風味を加える。最小限の亜硫酸添加（破砕時に35ppmを添加し、熟成期間中96ppmを追加）。瓶詰め前にパッド・フィルターで濾過。最低限の人為的介入という我々の哲学に沿って、すべての工程が行われた。 2018 リットン・スプリングス （2020年1月瓶詰め）
数年間、早い収穫開始が続いたあと、2018年の摘み取りは9月4日に始まっており、これはソノマ郡ではより典型的なタイミングである。天然酵母による発酵は、ゆっくりとだが着実に進んだ。わずか3日間のマセレーションを経ただけで、色、タンニンともにたっぷりと抽出されている。タンニンの抽出量を適度に保つために、ペティット・シラーのすべて、ジンファンデルの多くのロットについて、ポンプ・オーヴァーを一日一回に抑えた。若いワインとしても愛想がよいのだが、このフルボディで豊潤なジンファンデルは、少なくとも10年間は美しく熟成していくだろう。
ジョン・オルニー（2019年11月）