■『eRobert Parker.com』より抜粋■
Deep garnet-purple colored, the 2016 Lagrange sashays out of the glass with notions of candied violets, cassis, underbrush and warm black plums with waves of Black Forest cake, cedar chest and yeast extract scents. Medium to full-bodied, the bags of perfumed black fruits are solidly structured with super ripe, grainy tannins, finishing long and layered.
パーカーポイント:95点
飲み頃予想:2021〜2045年
■『Wine Report 2019/8/8』より抜粋■
4月のプリムール試飲から4か月。シャトー・ラグランジュを再訪問した。プリムールでは、2018と2016を比較試飲して、2018が上回ると評価したが、2016を再試飲して、その卓越性に気づいた。2016の試飲は2017年のプリムールに始まりこれで3度目。ボルドーは繰り返して試飲しないと、評価が定まらない。
《格付けの差》は《テロワールの差》と言い換えてもいい。その差を”人力”でつめたのが2016年だ。メルロは10月3日、カベルネ・ソーヴィニヨンは10月17日に収穫を始めた。
1級のラフィットやムートンが収穫をほぼ終える時期だった。ブドウの成熟は1級の方が早いとはいえ、遅く収穫すると秋雨のリスクは高まる。挑戦的な遅摘みで、糖度と生理的成熟の両方を手にいれた。
シャトー・ラグランジュ 2016(Chateau Lagrange 2016)はややタイト、ブラックベリー、杉、リコリス、香り高く、シルキーなミディアムボディ。空気にふれて、ミント、タバコ、折り重なったアロマがグラスから飛び出す。複雑なニュアンスに富み、時間と共にスケールが広がる。生き生きしたフィニッシュまで、緊張感が持続し、メリハリがある。熟成によって明確に進化している。
日本では8000円前後で手に入る。値段が高止まりする2016の中で、世界が見逃している。2級に匹敵する品質のワインだ。95点。