＼＼＼10年熟成ブルネロ／／／

そんなマンフレディから、今回なんと2014年が再入港です！
2014年というと、やはり雨が象的でしたよね。

ただ、モンタルチーノでは9月と10月に乾燥した晴天が訪れました。ここが2014年ヴィンテージの明暗を決める分岐点となったんです。

これまでの長雨の不安から、収穫を逃してしまうリスクを恐れ晴れてからすぐのタイミングで早摘みしてしまった造り手も多く、そうして出来たワインは、たださみしいだけの味わいになってしまいました。

一方マンフレディのように、ちゃんと葡萄が完熟するまで収穫を待ったものはひとえに同じ2014年だとしても、全く違う印象のワインになりました。

この地域は資本のある大きな造り手が鎮座していて、近代技術を上手く取り入れることで安定した品質を生み出していますが良くも悪くも、リスクを絶対的にとれないんです。

それとは真逆のアプローチから生まれるマンフレディのワインは、安定や世間の評価には漏れるかもしれませんが、細部にわたるこだわりや熱量がどの年にも感じられるんです。

2014年はすでに熟成を感じられる味わい。
2日目には深く柔らかい香りが口内にじんわり広がります。

決して画一的なパワフルなブルネロではなく、丁寧な構成を感じられる繊細なブルネロ。
マンフレディらしいヨードのニュアンスにも温かみを感じます。

お待たせしました！
ようやく出荷開始です！

もう、僕が説明するより、ジョイアからのメールを皆さんにシェアした方がいいですね。

以下、ジョイアからのメールです！

2014年は1年を通して、とにかく雨が多かった。
2013年の冬も雪こそ降らなかったが雨が多かった。

自然の恵みであるはずの雨の悪い意味での影響を受けた年だった。

だが、同時に例年よりも気温が高く、葡萄の生育を助けるという側面もあった。雨で日照が少なかったが、強い日照と高い気温が自然と葡萄の生育サイクルを助けてくれた。

暑い夏が来る前の6,7月の雨は葡萄樹の生育サイクルを早め、特に大きな葉を沢山作ってくれた。

この葉が暑い夏の日照をある程度遮り、葡萄果実が焼けるのを防ぎながら、雨による打撃を防いでくれた。

8月中旬に雨が止まり、熟度は一気に高まります。
9月中旬の収穫期まで雨が降らなかったのは2014年において、とても重要な事でした。

8月初旬に降った雨を葡萄果実は吸い上げ、健全に成長すると共に果実は大きく膨らみ、水分が多い状態でしたが、その後の乾燥で葡萄果実は凝縮し、その表現力を増していったのです。

私達のモンタルチーノ地区は非常に救われたと言えるでしょう。

9月中旬に完熟期を迎えたタイミングで一気に収穫する事ができました。

私達は小さな農家なので家族と友人で一気にベストのタイミングで収穫する事ができたのです。

翌週にはまた雨が降りました。このタイミングを逃したら全く違うワインになっていた事でしょう。

小さな農家である事はいつでも最良の判断をする上でも私達にとっては重要なのです。

醗酵はいつも通り、元気な野生酵母によって順調に行われ、隣の部屋に重力で送られ、いつも通り、大樽に入れられました。

いつも通りです。

こうして私達の唯一のワイン、ブルネロ・ディ・モンタルチーノ2014がボトリングされたのです。

素晴らしい年とは言われない年ですが、私達にとっては素晴らしい年です。

表現力の懐が深く大きな可能性を持っています。偉大なまでのエネルギーを持ち、語り掛けるようです。

上品さ、集中力と凝縮感のバランスに優れているのは特筆すべきでしょう。

そして、このワインはとても感情的で飲み手に近寄ってくるようです。
美しい、とても美しく感じます。

こんな難しい時代ですが、人間が生きていくのに寄り添い、必要とされるワインになりました。