9つの畑の中で最も広いオヴェロの畑は粘土質が強く、逞しい力強さと重厚なボディが特徴です。高地の冷涼な気候により、果実味がより強く引き出され、若々しいアロマが感じられます。

※畑の傾斜：南・西向き　面積：20.3ha　標高：250?320m　土壌：石灰と石灰岩が混じる粘土質の強い土壌　醸造：30℃で発酵。28〜32日間果皮浸漬し、マロラクティック発酵を行う。オークの大樽で36ヶ月熟成後、9〜12ヶ月瓶内熟成。生産量：17, 744ボトル+1,128マグナム（2017ＶＴ）,18,741ボトル+2,296マグナム（2015ＶＴ）

2017VT★パーカーポイント94+点：このヴィンテージのリゼルヴァはどれも、芳醇で大胆なアロマが特徴だが、このワインはその典型的な例と言えるだろう。

カシス、ワイルドチェリー、タバコ、金属、リコリスを想起させる濃厚なアロマが香る。味わいは、繊細でシルキーな質感があるが、長期熟成に耐えうる十分な力強さも感じられる。
≪飲み頃：2024-2045年｜2022/6/24掲載≫

2017VT★ヴィノス94点：アルコールの高さを感じる非常に大胆な味わい。これ程重厚感のあるオヴェロは今まで味わったことはない。

この土地特有の力強いミネラルと塩気を帯びたニュアンスが中盤に広がるリッチで濃厚な味わいと溶け合い、見事な調和をみせる。凝縮感を湛えた力強さがあるため、開くまで時間を要する。
≪飲み頃：2027-2039年｜2021/9掲載≫

2017年は、雨の少なかった暑い年として記憶されています。冬は温暖で降雪も少なかった一方、春は幾日か雨の降る日があり、3月の気温は平均を下回りました。4月21日と22日の早朝に気温が急降下し、記録的な寒さとなり一部で霜害をもたらしました。

特に標高の低いバルバレスコの丘陵地ではこの被害が著しく、バルバレスコ全域で10％の収量減となりました。その一週間後には局地的な雹害がバルバレスコのアペラシオンを直撃し、コッタ、サン・クリストフォロ、クッラ、バサリンなどの畑で50〜90％の収量減となりました。

5月初旬にオヴェロの畑を再び雹が襲いましたが、これによる被害は比較的軽く、10％の収量減に留まりました。その後は、非常に乾燥した雨の少ない暑い日が続きました。

夏のこの乾燥した気候が、雹害や霜害でダメージを受けた葡萄の回復に一役買い、衛生状態が改善されて健康状態の良好な葡萄が実りましたが、水不足により収量が落ち、果皮の厚みが増して果粒が小さくなりました。

これは、高い品質を示す良い兆候でもあります。9月1日にようやく降水量5ミリ程の小雨が降り、干ばつの続いた夏の気候パターンに重要な変化をもたらしました。

その後は、カラッと乾燥した晴天が続きましたが、短期間の天候の崩れにより昼夜の寒暖差が著しく、バランスの良いアロマと酸を蓄えました。この年の収穫は非常に早く9月19日に開始しました。

2017年は、春の霜と雹、夏の干ばつの影響により、例年平均20％の収量減となった低収量の年となりましたが、果実のクオリティは実に素晴らしく、円熟した果実味と骨格の良いタニックなストラクチャーを備えたバランスのとれたワインに仕上がりました。

One of the bigger productions (with 17,744 bottles) in the Produttori del Barbaresco's portfolio is the 2017 Barbaresco Riserva Ovello. All of the Riservas in this vintage are characterized by especially exuberant and bold aromas, and this bottle is a prime example. Cassis, wild cherry, tobacco, rusty nail and licorice build intensity. The wine is tapered and silky in texture, but it also offers a good amount of power (and 15% alcohol) to carry it through the aging process.

◆パーカーポイント：９４＋点
◆飲み頃：２０２４〜２０４５年